企業研究

【企業研究】NTTドコモの事業内容や業務、強み・弱みを分析

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基本情報

会社概要

会社名 株式会社NTTドコモ
創業年 1992年
事業内容
  • 通信事業
  • スマートライフ事業
  • その他の事業(法人IoT、システム開発・販売・保守受託など)
従業員数 単独 7,884名
連結 26,564名
売上高 4兆6,513億円(2019年度)
本社 東京都千代田区永田町2丁目11番1号
平均年収 872万円(平均年齢40.2歳)※有価証券報告書より

企業理念

私たちは「新しいコミュニケーション文化の世界の創造」に向けて、個人の能力を最大限に生かし、お客様に心から満足していただける、よりパーソナルなコミュニケーションの確立をめざします。

※NTTドコモ HPより

事業について

国内最大手の携帯キャリアとして知らない人はいないNTTドコモ。

国内の携帯キャリアのマーケットシェアでは長年No1をキープしています。

NTTグループの移動通信事業部門が独立し誕生したNTTドコモです。

NTTドコモはNTTグループの中でも最大となる4兆円を超える事業規模を持ち、NTTグループの事業を牽引する事業会社となっています。

事業内容

NTTドコモは、移動通信事業(携帯回線)をビジネスの屋台骨とし、その周辺でのビジネスやサービスの提供にも積極的に取り組んでいます。

NTTドコモの事業セグメントは、大きく以下の3つに別れています。

  • 通信事業
    携帯電話サービス(LTE(Xi)サービス、FOMAサービス)、光ブロードバンドサービス、
    衛星電話サービス、国際サービス、各サービスの端末機器販売など
  • スマートライフ事業
    動画・音楽・電子書籍等の配信サービス、金融・決済サービス、
    ショッピングサービス、生活関連サービスなど
  • その他の事業
    ケータイ補償サービス、システムの開発・販売・保守受託など

NTTドコモが公表している事業セグメント区分に沿って、各セグメントの事業内容を説明していきます。

通信事業

一般的なNTTドコモの事業内容として最も有名なのがこちらの通信事業セグメントです。

一般消費者や法人向けに、携帯電話サービスを提供しているのがこちらの通信事業です。

ご存知の通り、NTTドコモは国内最大の移動通信事業者であり、携帯キャリアとして国内のマーケットシェアNo.1となっています。

提供サービスとしては、以下のようなサービスを提供しています。

通信事業の提供サービス
  • 携帯電話サービス(LTE(Xi)サービス、FOMAサービス)
  • 光ブロードバンドサービス
  • 衛星電話サービス
  • 国際サービス
  • 端末販売サービス

国内のマーケットシェアは契約数ベースで44%を超えており、解約率もわずか0.53%という圧倒的な低さとなっています。

この通信事業は、ドコモの事業の屋台骨となっており、この通信事業で獲得した顧客を軸に、後述するスマートライフ領域の事業を展開するという戦略上非常に重要な事業となります。

本セグメントは、NTTドコモの全売上高の約80%を占める3兆6,870億円の営業収益を上げており、圧倒的な収益基盤となっているセグメントです。

スマートライフ事業

動画や音楽・電子書籍等のエンターテインメント、クレジットカードやバーコード決済、金融・決済、保険等、利用者の生活をサポートするサービスを展開しているのがスマートライフ事業セグメントです。

dTVやdマガジン、DAZN for docomo等のサービスを始めとした、『コンテンツ・ライフスタイルサービス』と、d払いやdカード、iD等の『金融・決済サービス』の2つの事業を中心にサービス展開しています。

通信事業の提供サービス

    コンテンツ・ライフスタイルサービス

  • dTV
  • dヒッツ
  • dショッピング
  • dファッション
  • dトラベル
  • dマガジン
  • dフォト
  • dヘルスケア
  • タワーレコード 等
  • 金融・決済サービス

  • dカード
  • dカードGOLD
  • iD
  • d払い 等

このセグメントは、NTTドコモの強固な携帯ユーザーを顧客基盤としスマートライフを実現するサービスを展開しています。

今後も、5Gの普及により動画や音楽等のコンテンツ配信サービスのニーズは更に高まっていくと予想されており、NTTドコモの新たな事業の柱として期待されている有望領域です。

本セグメントは、NTTドコモの全売上高の約11%を占めているセグメントとなります。

その他の事業

これまでに紹介した、通信事業とスマートライフ事業に分類されない事業がこちらのセグメントになります。

具体的には、法人向けのIoTやシステム開発/運用等のサービス、ケータイ保証サービス等のあんしん系サポートを展開しています。

その他の事業の提供サービス

法人向けソリューション

  • 法⼈IoT
  • システム開発・販売・保守受託 等

あんしん系サポート

  • ケータイ保証サービス
  • あんしん遠隔サポート 等

本セグメントは、NTTドコモの全売上高の約9%を占めているセグメントとなります。

業績

次に、NTTドコモの業績について見ていきます。

以下のグラフは過去5年間のNTTドコモの営業収益と営業利益率です。
(このグラフは公表しているIR情報を元に当方でグラフを作成しています。)

NTTドコモの2019年度の業績は、営業収益46,513億円、営業利益率18.4%となっています。

営業収益、営業利益率共に2018年度と比較すると減少しているように見えますが、2019年度の計画値は上回っており、減収減益は計画通りの結果なので問題ないと考えます。

減収減益の原因は、新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」におけるお客様還元の影響、d払いや映像系サービスの積極的な販促活動による販売費による影響と思われます。

いずれにしても、事業自体の停滞の影響ではなく、利益率も18%を超える高利益体質をキープできていることから事業上の大きな問題はないでしょう。

主力事業である携帯電話の契約数は8,000万契約を突破するなど、順調に顧客基盤を拡大しています。

携帯電話回線においては、『通信の安定性』、『NTTのブランド力』、『dポイントエコシステム』等によって、根強いファンが存在しています。

このような顧客基盤を活かした、スマートライフの事業展開も奏功しており、スマートライフ事業は前年比約20%の高成長となっています。

とはいえ、事業規模としては通信事業が全体の8割を占めており、この領域は市場のパイも決まっており競争が激しいです。

今後は、通信事業の顧客基盤を活かし、市場の成長が見込まれるスマートライフ領域の事業拡大を進められるかが今後の成長のカギとると思われます。

まとめ
  • 2019年度の業績は共に営業収益・利益共に微減
  • 事業のKPIとなる契約数等の数値は順調に成長しており、事業の安定性には影響なし
  • 携帯回線の顧客基盤を活かした周辺のスマートライフ領域の成長が今後のさらなる成長のカギ

NTTドコモの強み

8,000万契約を超える顧客基盤とそれを支える回線への信頼

NTTドコモは国内の携帯電話契約数の44%を超える8,000契約を超える顧客を保有しています。

この、現代人の生活に無くてはならない『携帯電話』という顧客接点こそがNTTドコモの最大の強みです。

この顧客基盤を実現しているのが、携帯回線の信頼と実績です。

ネットワークの実行速度でも国内キャリアの中で最速を維持(*2019年度決算説明資料より)しており、高品質な回線サービスの提供により強固な顧客基盤を築いています、

そして、このドコモの携帯電話の利用者を中心とした経済圏を形作るのが、dポイントです。

携帯回線のユーザー以外もdポイントを利用可能な基盤を整備(dポイントカード等)することにより、会員数を増大させ、エコシステムをより強固なものにしています。

携帯回線契約への流入はもちろん、ビジネスプラットフォームとしても魅力的なエコシステムとなっています。

顧客基盤を活用したサービスモデル

上述した、NTTドコモの顧客・会員基盤を軸としたビジネスモデルを確立していることも大きな強みです。

携帯回線契約やdポイントを中心とし、ドコモが提供する『DAZN』『dTV』『dマーケット』等の各種サービス、dポイント制度加盟店を中心としたパートナー、『d払い』『iD』といった決済、『dmenu』『my daiz』といった送客まで、ビジネスプラットフォームが確立されています。

また、これらのエコシステムにパートナーが参画し、8,000万契約を超える顧客基盤を活用したパートナーに提供する『+d(プラスd)』という取り組みも推進しています。

d+はNTTドコモのアセットを活用し、8,000万契約を超える顧客と5,000社のパートナー(2021年度目標)をつなぐプラットフォームです。

マツモトキヨシ等、d+の枠組みの中での新たな価値創造の事例も創出されており、こういった価値創造のモデルが確立されている点もNTTドコモの強みとなっています。

NTTドコモ弱み

市場環境の変化への対応力

現時点においては、マーケットシェア1位のポジションをキープしていますが、既に携帯電話の普及率は100%を超えており、市場は飽和状態となっています。

また、通信規格そのものは標準化されたものであり、総務省が取りまとめを行っているなど、事業環境そのものが差別化が難しい状況である上に、近年ではMVNOや新規事業者の参入等、競争はさらに激化していきます。

通信事業者としては確固たる地位を気づいていますが、ダイナミックな経営が売りの競合キャリアと比較すると、対応が後手に回る場面も少なくありません。

5G時代の到来により、新たな覇権争いも生まれていく市場環境の中において、最大手の携帯キャリアとして本当の意味でマーケットをリードする存在になれるかが、今後のビジネス成長に向けた課題と考えられます。

法人ビジネスの拡大

さらに、今後の課題として上げられるのは『法人向けビジネスの拡大』です。

5Gの普及により、多くのビジネスエリア/事業者がこの技術を活用することで新たなビジネスチャンスを狙っています。

B2Bのビジネスにおいて、ビジネスパートナーとの共創を通して新たなサービスを創出できるかが、B2C主体の携帯キャリアのビジネスモデルに破壊的な変革を起こすガキとなるでしょう。

競合・関連企業

  1. ソフトバンク
  2. KDDI
  3. 楽天
  4. NTTデータ
  5. NTTコミュニケーションズ
  6. NTT西日本
  7. NTT東日本

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