企業研究

【SIer企業研究】NECの事業内容や業務、強み・弱みを分析

基本情報

会社概要

会社名 日本電気株式会社
創業年 1899年(明治32年)
事業内容
  • パブリック事業
  • エンタープライズ事業
  • ネットワークサービス事業
  • システムプラットフォーム事業
  • グローバル事業
従業員数 単独 20,252名(2019/3)
連結 110,595名(2019/3)
売上高 連結 2兆8,444億円(2018年度)
本社 東京都港区芝五丁目7番1号
平均年収 809万円(平均年齢43.1歳)

企業理念

NECはC&Cをとおして、
世界の人々が相互に理解を深め、
人間性を十分に発揮する
豊かな社会の実現に貢献します。

※C&C:コンピュータと通信の融合:the integration of computers and communications

事業について

事業内容

パブリック事業

公共団体(官公庁、地方自治体)や、地域医療、メディア等の公共性の高い分野へのシステムインテグレーション事業やHW提供を行っているセグメントです。

社会基盤と、社会公共の2つのビジネスユニットで構成されており、それぞれ以下のような主要顧客向けにビジネスを行っています。

社会基盤

公共:
消防指令システム、消防デジタル無線、
防災システム、交通管制システム、
鉄道ネットワークシステム、
地方公共団体向けシステム

医療:
電子カルテシステム、
地域医療連携ネットワーク

地域産業:
基幹業務システム

 

社会公共

官公:
税・社会保障システム、指紋認証システム、
航空管制システム、衛星通信・地球観測、
野外通信システム、学校教育システム、
郵便追跡システム、
施設監視・エネルギー管理

メディア:
テレビ番組制作・報道・送出システム、
デジタルテレビ送信機

成田空港や東京オリンピックの認証としての採用が決まっている、顔認証・生体認証といった高い技術を強みとし、公共領域でのプレゼンスを発揮しています。

また、ネットワーク機器に強いNECなだけあり、消防・防災無線といった分野でも非常に高いシェアを誇っています。

NECの事業分野の中では最大の売上高を上げている領域で、全売上高の約33%(9,496億円)を売り上げている花形の事業領域となります。(2018年度実績)

エンタープライズ事業

製造業、流通・サービス業、金融業などの民間企業向けにシステムインテグレーション事業やHW提供を行っているセグメントです。

以下のような主要顧客向けにビジネスを展開しています。

製造:
グローバルSCMシステム、設計管理システム、
生産管理システム、販売管理システム

流通・サービス:
小売本部・店舗システム、物流管理システム

金融:
銀行勘定系システム、営業店システム、
保険・証券基幹系システム、
保険・証券チャネルシステム

製造、流通領域ではそれぞれ市場シェアで2位のポジションを獲得しています。

エンタープライズ事業は全売上高の約15%(4,350億円)を売り上げています。(2018年度実績)

ネットワークサービス事業

国内の通信事業者向けに、ネットワーク構築に必要な機器や運用管理のための基盤システム、運用サービスなどを提供しています。

この事業領域において屋台骨となっているのが、NTTドコモやKDDI等のテレコムキャリア向けのサービスや基地局の機器等の提供です。

この領域は今後5Gの導入に向けた基地局整備といった大きなビジネスチャンスが見込まれる有望領域で、国内でトップシェアを誇るNECの主力の事業領域への成長が期待されています。

主要製品・サービス

ネットワークインフラ:
コアネットワーク、携帯電話基地局、
光伝送システム、ルータ/スイッチ
システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)

サービス&マネージメント:
OSS/BSS、
サービスソリューション

ハードウェア:
無線LANルータ

企業ネットワーク:
IPテレフォニーシステム、
WAN/無線アクセス装置、LAN製品

ネットワークサービス事業は全売上高の約13%(3,948億円)を売り上げています。(2018年度実績)

システムプラットフォーム事業

社会ソリューション事業をITで支える基盤として、端末、ネットワーク機器、コンピュータ、サーバー、ATM、ソフトウェアなどのビジネス向け製品や、保守サービスを提供しているセグメントです。

主要製品・サービス

ハードウェア:
サーバ、メインフレーム、
スーパーコンピュータ、ストレージ、
企業向けパソコン、POS、ATM、制御機器、
無線LANルータ

ソフトウェア:
統合運用管理、アプリケーションサーバ、
データベース
保守サービス

この事業領域で提供しているサーバーやストレージ、ビジネスPCといった製品は、NECの他事業領域でのSIビジネスの中でも差別化要素としてビジネスの基盤を担っています。

近年では海外製品との競争も激化している領域であり、いかにして差別化、シェアを確保していくかが今後の課題となっています。

また、今後はクラウドサービスじ需要の伸びに伴い、サーバーやストレージといった汎用製品の市場の成長はそこまで大きくは見込めないため、生産性の向上による利益確保や抜本的なビジネスモデルの転換が必要な事業領域であるとも言えます。

システムプラットフォーム事業は全売上高の約19%(5,467億円)を売り上げています。(2018年度実績)

グローバル事業

海外市場を対象として、生体認証ソリューション、サービスプロバイダ向けソフトウェア・サービス、大型蓄電システムなどを提供しています。AI、IoT関連の先端技術を活用し、安全・安心で効率・公平な都市の実現をはじめとする社会課題の解決に貢献していきます。

主要製品・サービス

セーファーシティ
(パブリックセーフティ、
デジタルガバメントなど)
サービスプロバイダ向けソフトウェア・
サービス(OSS/BSS、SDN3/NFV4)

ネットワークインフラ:
海洋システム
(海底ケーブル、海洋観測システム)、
ワイヤレスバックホール

システムデバイス:
ディスプレイ、プロジェクター

国内事業の水平展開や、M&Aした企業とのシナジー等により事業規模は徐々に拡大してきていますが、収益性の確保が一番の課題となっているセグメントです。

2018年度実績では、221億円の赤字となっています。

システムプラットフォーム事業は全売上高の約14%(4,407億円)を売り上げています。(2018年度実績)

業績

次に、NECの業績を見てみましょう。

以下のグラフは過去5年間のNECの売上高と営業利益率です。
(このグラフはNECが公表しているIR情報を元に当方でグラフを作成しています。)

ここ数年は、トップラインの減少傾向が続いていましたが、2018年度より増収に盛り返しています。

一方で、過去5年の営業利益率で見ると1.6%〜4.4%と1桁台前半となっています。
これは、汎用サーバー・ストレージ製品や、SI事業においても競合となっている海外の競合企業である、IBMが利益率10%〜15%前後で安定した利益率を確保していることを考えると、苦戦していると言わざるを得ません。

中期経営計画の中でも、「成長軌道への回帰」を掲げており、不採算事業の改善や、収益構造の改革に取り組んでいく路線で、営業利益率は5%の確保を目標に、改革を進めていくとされています。

黒字化が期待されるグローバル事業においては、成長エンジンとして「セーフティ事業」に注力することで、成長と利益の確保を目指す方向性ということです。

まとめ
  • 近年の売上高減少傾向から、成長軌道へ回帰(FY2018より)。
  • 営業利益率は依然として低く、収益構造の改革を中期経営計画へ織り込む
  • グローバル領域の黒字化、成長に向けては「セーフティ事業」に選択と集中で実現を目指す

NECの強み

日本国内でのITサービスベンダとしてのプレゼンス

売上高の伸び自体は停滞気味であったここ数年ですが、それでも未だに国内のITサービスベンダでは、富士通、NTTデータに次ぐ第3位の規模を誇っています。

特にパブリック分野、ネットワーク事業でのテレコムキャリア領域での高いシェアをはじめとした、良質な顧客基盤と信頼はNECの強みと言えるでしょう。

生体認証技術分野での技術力

顔認証や指紋認証、虹彩認証といった生体認証の分野ではコンテストで1位を取るなど、非常に高い評価を受けています。

これらの技術は、これからのデジタル社会における個人認証といったセキュリティ面で、様々な場面での活用が見込まれる技術であり、Digital Goverment や Public Safetyといった、時代の流れの中でも広く活用されることが期待できます。

成田空港での「One ID」システムなど、リファレンスとなるような事例も出始めており、これらの高い技術力を武器に、社会貢献・事業規模の面で存在感を増していくことが期待できます。

22年連続PCサーバ出荷台数シェアNo.1

Express5800シリーズは国内サーバー市場でシェアNo.1を誇っています。

また、その手厚いサポートからも高い満足度を得ており、データセンター・クラウド基盤としての活用に向けた需要が期待でき、これをフックとした事業規模の拡大も狙うことができると考えられます。

NEC弱み

HWからサービス、プラットフォーム事業への転換が課題

HW事業が主力であった昔の電機会社というイメージから、ICTサービスベンダへの転換を進めているが、コアコンピタンスと呼べる事業の創出ができておらず、具体的な戦略が打ち出せていない状況です。

かつては、主力事業であったネットワーク機器等のHW事業はすでに厳しい競争に晒されており、ITサービスの領域でいかに他社と差別化した高い価値を提供し、トップラインを確保するか、具体的な戦略が必要です。

グローバ事業での収益拡大

また、HP、IBM、DELL等の競合とも、日本を含む世界中で競合として比較されますが、HW製品、SI領域の両面において、グローバルでは存在感を発揮できていない点も課題です。

昔の電機会社としての認知度、世界的に競争力の高い技術を見極め、うまく活用し、すでにサチュレーション状態となっている日本市場の外で、成長機会をいかに作れるかが今後の成長の鍵となるでしょう、

NECの業務内容

NECにおける職種は大きく以下の6つに分類されます。

  • 研究
  • SE(システムエンジニア、サービスエンジニア)
  • ハードウェア技術
  • 営業
  • ソフトウェア開発
  • スタッフ

研究の業務内容

新規事業の創出や、顧客への新たな価値提供において、その競争力の源泉となる新技術の研究を行います。

いわゆる「研究者」として、新たな技術研究に従事し、事業部門と連携し世の中にその高い技術を提供していくのがミッションです。

特に注力しているのが、データサイエンス、コンピューティング、ネットワーク、セキュリティの4領域です。
NECは、日本の中央研究所(神奈川、つくば)をはじめ、欧州や北米、インドなど世界に7つの研究拠点を保有しています。

特に生体認証や、認識AI等の領域で、高い評価を受けている研究も多く実施されています。

SE(システムエンジニア、サービスエンジニア)

お客様の課題に対し、NECの製品、サービス、技術を組み合わせ、最適なITソリューションを提供するのがミッションです。

その中で、システムエンジニア、サービスエンジニアは以下のような役割を担います。

システムエンジニアは、社会やお客さまが抱えている課題を解決するために、最適なICTソリューションを提案、提供します。開発するシステムの全体像を描き、開発担当者や評価担当者など取りまとめながら、システムの完成やサービスの提供というプロジェクトのゴールに向かってチームをマネジメントしていく役割を担います。

またサービスエンジニアはお客さまの経営革新に貢献するために、ITアウトソーシングサービス・クラウドサービス事業として、ICTプラットフォーム・システムの開発・構築、運用、保守・ヘルプデスクなどをお客さまに対して提供します。単にシステムの運用・保守をするだけではなく、お客さまのパートナーとしてより質の高いサービスを提供できるような提案活動を実施します。

簡単に言うと、

  • システムエンジニア:ITサービスの提案から開発(PM)を担う
  • サービスエンジニア:サービス提供後の運用保守を担う

という役割となります。

営業

民間企業や官公庁の顧客に対して、お客さまの経営課題の解決するソリューションを提案するのが仕事です。

お客様の課題をヒアリング、正確に把握し、SEと連携して最適なソリューションを提案するため、顧客はもちろん、社内外の調整能力や技術動向・ソリューションの知識の幅が求められます。

提案からクロージング、導入後のお客様のフォローまで、幅広くお客様に寄り添った行動が求められます。

競合企業

  1. 富士通
  2. IBM
  3. HP
  4. 日立製作所
  5. NTTデータ
【SIer企業研究】富士通とNECの強み・事業・将来性などを比較今回は就職活動・転職市場においても、日系の大手メーカー系SIerとして未だに人気の高い富士通とNECの比較をご紹介します。 今回の企業...