企業研究

【SIer企業研究】日本IBMの事業内容や業務、強み・弱みを分析

基本情報

会社概要

会社名 日本アイ・ビー ・エム株式会社
創業年 1937年(昭和12年)
事業内容 情報システムに関わる製品、サービスの提供
従業員数 非公開
売上高 9,053億円(2018年度)
本社 〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町19番21号
平均年収 830万円程度(口コミサイトから想定)

企業理念

日本IBMは企業理念として以下を掲げています。

  • お客様の成功に全力を尽くす
  • 私たち、そして世界に価値あるイノベーション
  • あらゆる関係における信頼と一人ひとりの責任

事業について

事業内容

世界最大のITサービスベンダーのIBMの日本法人である日本IBM。

親会社の米IBMはITサービスベンダーランキングで世界第1位、その日本法人である日本IBMは日本国内では第5位にランキングされています。

日本IBMはコグニティブサービスとクラウド・プラットフォームを提供する会社として、以下のカテゴリで事業を展開しています。

  • ソリューション:クラウドやセキュリティ等のアプリケーション、サービス
  • 製品:汎用機、サーバー、ストレージ等のIT基盤
  • サービス:コンサルティングやアウトソーシング等のサービス

ソリューション

アナリティクス
クラウド
コマース
モバイル
セキュリティー
Watson
業界別ソリューション

製品

ITインフラストラクチャー
– ミドルウェア
– ミドルウェア・アプリケーション・プラットフォーム
– Power Systems
– Software Defined Infrastructure
– z Systems
ストレージソフトウェア

サービス

ビジネス・コンサルティング・サービス
ビジネス・インサイト
テクノロジー・サービス
– ネットワーク・サービス
– アウトソーシング・サービス
– レジリエンシー・サービス
– システムズ・サービス
– テクニカル・サポート・サービス
グローバル・パッケージ・ソリューション
リースおよびファイナンシング

業績

次に日本IBMの業績を見ていきます。

以下のグラフは過去5年間の日本IBMの売上高と営業利益率です。
(このグラフは日本IBMが公表しているIR情報を元に当方でグラフを作成しています。)

傾向として、売上高はここ5年間はほぼ横ばいで9,000億前後売上高は6〜9%程度の事業規模となっています。

稼ぐ能力はほぼ横ばいですが、営業利益率は、他の日系のHW系ITサービスベンダと比較すると富士通が4%前後、NECが3%前後なので、2倍近い営業利益率を実現しています。

親会社である米IBMは2018年度で売上高771億ドル(約8.5兆円)、利益率16.6%なので、日本IBMはIBM全体のうち約10%を構成する事業規模となっています。

前述の通り、日系のHW系SIerと比較すると営業利益率は優秀ですが、米IBMが達成している営業利益率と比較すると半分程度なので、さらなる高利益率体質化が課題となっています。

まとめ
  • 売上高はここ5年間9,000億前後でほぼ横ばい。
  • 日本IBM(日本市場)の売上はIBM全体の10%を占める重要市場
  • 米IBMと同等の高利益体質の実現と横ばいのトップラインの向上が課題

日本IBMの強み

世界最大のITサービスベンダーとしてのプレゼンス

特にBtoBのITのビジネスにおいては、「IBM」という冠のブランドはかなりの影響力があります。

日本においても、その影響力は大きく2000年代前半には、日本市場だけで1.7兆円近い売上高を上げていたこともあります。

メインフレームでは世界の市場で圧倒的なシェアを誇っており、メインフレームを軸にHWだけではなく、アプリケーションやサービスの領域でも積極的にビジネスを展開するビジネスモデルをいち早く実践してきたことで、いわゆるSIの領域でも世界規模で多くのベストプラクティスを蓄積しているのは大きな強みと言えるでしょう。

ワトソンのAI市場での知名度を始めとした最先端の技術力

IBMはこれまでは、トラディショナルなHWメーカー、もしくはメーカー系SIerというイメージが定着していました。

そのイメージを一気に払拭し、先端のデジタル領域での存在感を植え付けたのがWatson(ワトソン)です。

いち早くAIとしてWatosonを実用化し市場に提供してきたIBMは、このワトソンを中心としたAI技術力により、3年連続でAIマーケットでリーダーとして格付け()されています。
(
)IBM HPより

米IBMの開発する最先端かつ高度な技術はWatsonにとどまらず、Blockchain(ブロックチェーン)等の先端技術においても同様です。

こういった米IBMの最先端技術を日本のクライアントに提案できるのは、日本IBMの強みとなっています。

日本IBM弱み

日本市場向けの支店という位置づけのビジネス

外資系企業においては、多くの場合に言えることではありますが、日本IBMは基本的に米国本社の意向にしたがって事業を展開していくため、日本市場向けの事業戦略が弱いです。

日本市場の動向をリアルタイムに反映した事業戦略を推進するというよりも、米国のIBM本社がグローバルで立案している戦略を推進していく必要があるため、日本市場にはFitしなかったり、本社の承認を取っている間に出遅れてしまったりというケースがあるようです。

外資系クラウドサービスベンダーとしてもSIerとしても中堅の立ち位置

日本においては、外資系のIT企業という位置づけでは、クラウドサービスやOracleのようなパッケージサービスベンダーが有名でシェアも持っている状況です。

外資系IT企業としてみると、クラウドサービスの領域ではAmazon(AWS)やMicrosoft(Azure)から大きく出遅れており、パブリッククラウドサービスの領域では、そこまで大きなプレゼンスを発揮できていません。

また、SIerとしての立ち位置でも日本国内ではNTTデータや、同じHW系の富士通、日立、NECに次ぐ、5番手に甘んじている状況です。

日本IBMの業務内容

日本IBMでは職種別の採用となっています。

日本IBMの職種は以下の8つの職種に分類されています。

  • コンサルタント(戦略/ビジネス/IT)
  • ITスペシャリスト/プロジェクトマネージャー
  • データサイエンティスト
  • 製品開発エンジニア
  • 営業
  • 研究員 (東京基礎研究所)
  • デザイナー
  • コーポレートスタッフ

コンサルタント(戦略/ビジネス/IT)

IBMのコンサルタントは戦略領域、ビジネス領域、IT領域をカバーしています。

  • 戦略コンサルタント:経営戦略の策定支援する
  • ビジネスコンサルタント:データ分析によるビジネス最適化を支援する
  • ITコンサルタント:ITグランドデザインからITシステム構築を支援する

それぞれの領域で、IBMのもつ幅広いソリューションを組み合わせ、クライアントの課題を解決する提案を行うのが主な役割です。

今やビジネスの競争力の厳選となっているIT・デジタルの力を使ったクライアントのビジネス競争力の強化を、IBMが保有する世界でも最先端の技術を組み合わせ実現していきます。

ITスペシャリスト/プロジェクトマネージャー

IBMの提供する製品やソリューションへの深い知識を有し、システムの設計から構築、保守・運用を担当します。

ITスペシャリストは、日本IBMが担当する多様なクライアントに最適なシステムの構築を専門知識を持って推進していきます。

プロジェクトマネージャーは、スコープ、品質、スケジュール、予算、リソース、リスクをコントロールし、プロジェクト全体を成功に導く役割です。

日本IBMのクライアントは大手の顧客や金融等のミッションクリティカルなシステムも多く、ITスペシャリスト/プロジェクトマネージャーとして、大規模なシステムに携わる機会が多いので、やりがいも大きいと思います。

データサイエンティスト

WatsonというAIプラットフォームをいち早くブランド化することに成功したIBMですが、そのWatsonのビジネスへの適用を支えているのがデータサイエンティストです。

Watosonに限らず、データサイエンティストは広くデータ分析によってクライアントの課題を解決するのがミッションです。

IBMが「Cognitive(コグニティブ)」として注力しているWatsonやデータサイエンスの領域を、データサイエンティストはデータ分析による課題発見とデータを活用した予測によって解決することで支えています。

営業

クライアントの業務を熟知し、顧客のニーズに答えるIBMのソリューションを提案します。

クライアントとの折衝の中心的な役割として、IBMの先端技術を組み合わせたITシステムの企画をコンサルタントやITスペシャリストと協力して立案し、顧客に提案していきます。

クライアントのパートナーとして、営業プロセス全般で中心的な役割として、顧客への提案の取りまとめからクロージング、受注後のフォローを担います。

競合企業

日本IBMを受けるなら読んでおきたい本

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